【タビイク】止まらぬゆきんこコール、悪夢のような長い夜。

【タビイク】止まらぬゆきんこコール、悪夢のような長い夜。
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yukinko

インド在住の旅ブロガー/ライター。 世界一周ひとり旅を含めこれまで訪れた国は70か国、350都市以上。2016年よりインドへ移住。このブログはインド生活や日々感じたことを思うままに書き綴っている日記ブログです(≧∀≦)

ゆきんこ@India, Jodhpur

 

みなさんこんにちは!

少しさかのぼって昨年の記事になりますが、できる限り毎日更新をしてリアルタイムに追いつけるように頑張りますので引き続きよろしくお願いします!

 

 

昨日の記事:【タビイク】砂漠行きのは諦めない、絶対に。

 

トントントン

 

ノックの音がする。

 

私服でフラッと病室に入ってくるから、

 

ちょっと!!あんた誰!?何しに来たの!?

 

と言いそうになるけど、ここの医師だ。

 

横で眠るBONの様子を見に来てくれたようだ。点滴のチェックをしてくれたりしている。深夜もちゃんと確認に来てくれて安心した。きっとみんなの部屋にもちゃんと医師が行ってくれてるんだろう。

 

彼女の様子はどうだ?大丈夫か??

 

はい、大丈夫です。

 

ボンは7人の中で唯一食あたりというよりは風邪に近い症状で、それほどひどくはなかった。

 

君たち明日の朝8時にここを出るって??

 

多分さっき処置をしてくれた医師から引き継ぎを受けたんだろう。

 

はい、そうです。

 

すると、その医師は微妙な表情でそっか…と言った。

 

どう思いますか??

 

決めたことを変えるつもりはないけど、思わず聞いてしまった。私もとっても不安だったのだ。

 

さらに複雑な表情をする医師。

 

可能だと思いますか??

 

さらに質問をする私。

 

No…

 

そう答える医師。

 

私はとりあえず、わかりました、明日の朝みんなの様子を見て決めます。医師にはそう伝え、オッケーと言って医師は部屋を後にした。

 

大丈夫、

 

大丈夫、

 

絶対にみんな復活する。

 

祈りながら再び眠りにおちた。

 

ピーピーピー、ピーピーピー

 

病室に突如鳴り響く音。

 

なに…??

 

あ、インターホンか。寝ぼけながら受話器をとる。

 

ハロー…

 

“○▶︎□◆※●△◉○▶︎□◆※●△◉〜○▶︎□◆※●△◉○▶︎□◆※●△◉”

 

え?ごめん、マジでわからん。なんて??

 

相手の英語が強めのインド訛り、受話器越し、私の寝ぼけ過ぎにより全然意思疎通ができない。

 

なに?どうしたの??を繰り返して聞き取れた言葉をつなぎ合わせる。

 

あおい、プロブレム、カム、スーン、326

 

ウソー!!!!!!!あおいー!!!!!!

 

一気に目が覚めた。あおいは7人の中でも症状が酷かった。

 

なにかあったのかもしれない!!症状が悪化!?まさかまさか!!

 

私はソッコー起き上がり、別棟の3階までダッシュ!!

 

部屋に入るとあおいは普通に意識もあって、ベッドから起き上がっていた。あおい!どうした!?聞くと、看護師さんとの意思疎通がうまくいかなくて呼ばれたようだった。

 

よかった…

 

あおいは看護師さんにオムツと着替えのパジャマが欲しいとお願いしたらしいけど全然伝わらなくて、困った看護師さんがゆきんこコールをしたらしい。私はあおいに頼まれた”オムツ”を薬局に買いに走った。

 

あおいは超謝まっていたけど、そんなの全然悪いことじゃない。

 

こういう状況、普通にある。

 

水○痢をしたことがある人はわかるでしょう??そこはもう自分の意志とは無関係だからね。

 

あおいしんどそうだったな…大丈夫かな…

 

オムツを届けて私は部屋へと戻った。

 

 

 

どれくらい時間が経ったんだろう。

 

コンコンコン、コンコンコン

 

今度はドアをノックする音がして、看護師さんが部屋にやってきた。そして今度は医師と話をしてくれと言って私はまた呼ばれた。

 

なんでしょうか??

 

118号室の患者がう○こ漏らした。

 

え…?マジで!?

 

頷く医師。

 

着替えのズボンがないと言っている。なんとかしなさい。

 

そう言って、部屋のドアを指差している。

 

キョウスケも…

 

コンコンコン

 

キョウスケ大丈夫…??

 

そっとドアを開けるとパンイチのキョウスケがいて、パンイチだったけど大丈夫ですと意識ははっきりとしていた。

 

キョウスケ、ズボンないの??

 

ないです。

 

わぉ、どうしよ。

 

でも今はどうにもできない。男子の入院者はもう1人、しょうましかいないし、今は真夜中。起こして貸せるズボンがあるかどうかの確認はさすがにできない。キョウスケには明日の朝しょうまに聞くから今は一旦病院に借りよう、そう言って部屋を後にした。

 

 

私にとってはここで初めて登場した医師が超嫌なヤツで、

 

キョウスケに、う○こはトイレでするように伝えてくれ、と私に言ってきた。

 

は!?そんなのキョウスケだってわかってるわ!!漏らしたくて漏らしたわけじゃねー!!

わかってるけどコントロールできないぐらい腹壊したことねぇーのかよ!!

 

後半の言葉は飲み込んだけど、お医者さんにこんなことを言われるとは思わなかった。なんだこの医者、最悪だな。この子たちは私が守るしかない。てゆーかさっきの誠実そうな医者に戻してくれー!!

 

タビイク参加者の子にはインド旅オススメの持ち物で、体調不良の時に役立つポカリ!とか、お尻いっぱい拭くことになるかもしれないからウエットティッシュ!と事前に伝えてきたけど、今後は1つ追加しよう。

 

う○こ漏らすかもしれないから替えのズボンは多めに。

 

部屋へ戻ろうと歩いていると、次は女性看護師に呼び止められ106号室に行けと言われた。

 

え…まさか??

 

と聞くと、

 

“彼女も”

 

と言われた。

 

マジかΣ(゚д゚lll)

 

部屋に入るとみほは点滴をされながらスヤスヤと眠っていた。シーツは少し汚れているようだった。

 

どうしよう、みほはきっと気づいていない。

 

なんて声をかけたらいいの?

 

みほ!う○こ漏らしてるから!

 

なんて私言えないよーーー!!!!!

 

え、マジでどうしよう。なんて言うのが正解?できるだけサラッと、できるだけ傷つけずに、なんて?なんて?なんて?

 

少し考えて私がみほにかけた言葉が、のちに今回のタビイクの名言入りと言われるようになったこれだ。

 

“みほ、お尻からなんか出てるの気づいてる??”

 

何度か肩を叩いてやっと目を覚ましたみほは、

 

気づいてないです…

 

と言ってやっと起き上がった。

 

 

シーツを代えて再び部屋に戻って眠れなくなった。

 

みんな漏らしてんじゃん!!!!!Σ(゚д゚lll)

 

思った以上に状況がひどくて、また一気に不安になった。

 

あと数時間後にここを出れるの?

 

いやいやいやいや。私が弱気になっちゃいけない。絶対に全員で行くんだ。みんなを連れて行くんだ。このことはあとで絶対にネタになる。本人も他のメンバーも絶対にみんな笑えるから。大丈夫、大丈夫。

 

でも、もしも誰かが“行けません”って言ったら…??

 

どうしよう。でも本人が考えて考えて出した答えが”もう無理”だったら、私はそれ以上なにも言えない。無理矢理連れて行くことはできない。みんな絶対に行く!って思っているだろうという気持ちと、もしかしたらもうしんどいって言われてしまうかもしれないという不安が心の中でたたかっていた。

 

明日の朝7時には全員の病室を回って意志確認をする。そして8時にはここを出る。

 

誰もおいていきたくない。

 

祈るような思いでまた少し寝ていたようだった。

 

コンコンコンコン

 

また部屋のドアが開いて看護師さんが入ってきた。

 

また来た、この人。

 

そして私にこう言った。

 

106号室と118号室に薬をあげなさい

 

 

 

え、なんで…?私は寝ぼけながらに思った。

 

あれ、私ナースだっけ?( ;∀;)

 

別棟に入院している4人の方はあおいに呼ばれたぐらいで音沙汰がないのに、私が同じフロアに寝ているからか、こっちの医師も看護師もすぐに私を呼ぶ。呼びグセついてんな、絶対。

 

私はいろんな心配を一旦閉じ込めて必死に寝る努力をしていた。私が起きていてみんなが元気になるわけじゃない。治療や投薬はプロに任せるしかない。体調不良者がいっぱい出てしまって、私は今まで以上に自己管理に危機感を感じていた。

 

“私が倒れるわけにはいかない”

 

でも病院の人全然寝かせてくれないもんなー

 

寝ぼけながらケータイの時計を見ると、早朝5時。

 

ベッドから起きて部屋を出て、キョウスケとしほに薬を飲ませに行った。私について来て後ろで見ている看護師さんは一体なんなんだろ?全然意味がわかんなかった。薬の時間だよって声をかけて、薬と水を渡すだけなのになんで私を呼ぶんだろ?そして部屋に戻ろうとすると、また医師に呼び止められた。

 

そして医師はこう言った。

 

106号室と118号室の2人は今日の朝8時には退院できない。2人と話をしなさい。

 

え…

 

ちょっと待って、どうしよ、頭まわらん。

 

確かにキョウスケとみほは7人の中でも症状がヒドイ。

 

でもそんなこと言わないでぇぇぇぇぇーーーーー

 

私倒れます笑

 

とりあえずわかりましたと言って、ボロボロの体に極めつけのワンパンもらったぐらいの気持ちで部屋に戻った。どうせこのあと全員に意志確認をする予定だ。キョウスケにもみほにもそれぞれ自分で考えてこれからどうするか決めてもらう。

 

 

7時を合図にそれぞれの病室を回って各自の意志確認をします。

 

2017年12月31日、もうすぐ今年最後の朝がやってきます。

 

それではまた!!

 

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今日もありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ

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