【完】長く、クレイジーな夜。その4。

【完】長く、クレイジーな夜。その4。
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yukinko

インド在住の旅ブロガー/ライター。 世界一周ひとり旅を含めこれまで訪れた国は70か国、350都市以上。2016年よりインドへ移住。このブログはインド生活や日々感じたことを思うままに書き綴っている日記ブログです(≧∀≦)

【2016/11/21】
ゆきんこ@Agra

 

トイレ行きたい…

 

私も…

 

てゆーか長くない…??

 

なんてことなのー!?(((( ;°Д°))))

 

って最初は心臓バクバクだったけど、警察は私たちを動画で撮ったっきり、車を降りろとかパスポートを出せとかそんなこと言ってくることもなく、ひたすらビジェイと話をしていた。もしかしたら彼らは英語が話せないから絡んでこないのかもと思ったり、ビジェイが必死にかばってくれているのかもしれないとか、やっぱり私たちはなんにも問題がなくビジェイの飲酒運転が原因だったのかとか心の中で考えていた。

 

長い…

 

車から少し離れたところでビジェイと警察官はまだ言い争っていた。時々私たちの車の方を指差している。やっぱりみんな捕まっちゃうの??理由もわからないまま時間だけが流れる。

 

いつになったら結婚式行けるんだよ…

 

みんなすっかりテンションが下がってぐったりモード。

 

そんな中酔っぱらい女はまだ酔いがさめないらしい。

 

えぇ〜わたしがぁ〜はなすからぁ〜

 

とか言いながらまたフラフラと緊迫したビジェイ達のところに歩いて行きそうになる。

 

あの女、マジで疲れる(ーー;)

 

こっちはもうトイレが限界。お前のせいでまたややこしい話になったら覚えとけよー!と心の中で思った。

 

どれくらい車の中でじーっと待っただろうか。

 

しばらくしてビジェイと警察官が車の方へと戻ってきた。ビジェイはレッツゴーと言ってドアを開けて半分車から降りたようにしていた私たちに車に乗るように言い、警察官と握手をし、なぜか酔っぱらい女も握手をし、警察官も笑顔で私たちを見送った。

 

え?どゆこと??

和解??

 

なにが問題だったのか、そしてどうやって和解したのかもまったくわからず、私たちの頭の中はハテナだらけ。

 

まいっか、とりあえずオッケーってことになったんだろう。

img_1098

私たちはやっと結婚式会場に到着した。

 

もう23時半だった。

 

会場に足を踏み入れた瞬間、このパーティはかなり盛大なパーティだと思った。前に出席させてもらった結婚式とは会場の大きさも全然違った。

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まず外では前菜系のビュッフェが振る舞われている。温かいものからドリンクバーやフルーツバーなどがある。

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もう時間も時間だから外で前菜を食べている人は少なかったけど、私たちは主催の方にご挨拶をしたあと、言われるがままに一旦前菜やフルーツを堪能。まわりのインド人にもうツッコミようもないぐらい何枚も何枚も写真を撮られている。私たちはただの出席者だけど、まわりに人がいっぱい集まってきてまるで有名人が来たかのような雰囲気になった。

 

インドあるある。

 

外国人が珍しいのかあっという間に囲まれる笑

 

そしてあれよあれよという間にメイン会場に誘導され、主役と共に撮影会(*°∀°)=3

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カメラが向けられまくってなかなか終わらない撮影。全員普段着で知り合いでもないし、ちょっと呼ばれて来ただけなのに、とんでもなく歓迎されて写真を撮られまくって恐縮した。

 

ちなみに、左からゆきんこを挟んでドイツ人グループ、1番右はイギリス人のゲスト、酔っぱらい女はこの時点で行方不明笑

 

それにしても花嫁さん、とってもキレイ☆

 

撮影会のあとは色々なひとに誘導されメインの食事会場へ。

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食事はホテルのビュッフェ会場みたいな感じ。自分で好きなものを取って、空いている席に座って食べるスタイル。

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私はもう結構飲んでるしそんなに食べたい気分じゃなかったけど、誰だかわからない人がずーっとついてきてどんどんお皿にのせられてしまった。食べている間もいろんなに写真を撮られ、もうお腹いっぱいで食べれないと言ってもいろんな人が食べて食べて!っていっぱいいろんなものを勧めてくれて、みんな超満腹になった。

img_1106

この外国人はいったいどこから来たんだろう…

 

みんなそう思っているだろうけど、とってもウェルカムな感じで迎えてくれて、そばに座っている人たちと談笑したり、子供を抱いてくれと頼まれて抱いたりして過ごした。

 

ビジェイもさっきまで警察と言い争っていたなんて微塵も思わせないぐらい楽しそうに過ごしていた。そして酔っぱらい女もちょいちょい視界に入ったけど、ビジェイがコントロールしているようでよかった。

 

途中気になった私は、なんで警察が来たの?なにが問題だったの??とこっそりビジェイに聞いてみた。

 

え…??

 

なんと、

 

モスクの前でビール瓶を捨てたから

 

これが理由だった。

 

え!?そこ!?

飲酒運転とか、定員オーバーとかは!?

 

そもそもあそこモスクの前だったの??私たちは不運だったと思う。私たちっていうかビジェイか。彼が車を停めたところがたまたまモスクの前だったらしい。

 

よーく考えたらモスクとお酒ってタブーな気がするけど、それで捕まってしまう。インドならではというか、なんというか。だって、ビジェイが飲酒運転していたこととか、乗車人数定員オーバーとか、普通に考えたらソッコー捕まるでしょっていうことはお構いなし。

 

でもビールをモスクの前で捨てたら捕まるのだ。

 

もうツッコミどころだらけヽ( ̄д ̄;)ノ

 

それにしてもなんで捕まったんだろ。張られていたとしか思えない。だって、トビがビールを捨てて瓶がガシャン!って割れてすぐだもん。警察がライトを付けて近づいてきたのが。通報にしては早過ぎだし、かもられた??

 

解決方法はもちろんお金。

 

最初警察の要求は5000ルピーの罰金。5000ルピー=約8500円。5000ルピーは私の宿で働いているスタッフの1か月の給料の半額、宿のドミトリーの宿泊費2週間分。インドで言うとかなり高額だ。

 

でも最終的には1200ルピー払って終了だよ!!ハハハ!!

 

ビジェイがドヤ顔で言った。

 

5000ルピー払え!

 

5000ルピーなんて高過ぎだろ!!

 

いや、5000ルピーだ!!

 

そんなの払えるわけないだろ!!

 

…とまあつまり、車の中から、なに話し合ってるんだろ…と思って見ていたのは、罰金の値交渉だったらしい。

 

そっか…まあ1200ルピーで済んでよかったね…

 

ははははは…

 

ビジェイだけでも5000ルピーとか言われたのか、外国人がたくさん乗っていたからこいつらからならたっぷり金取れるって思われたのかは謎だし、そもそも1200ルピーっていう罰金もどうなんだろ?って思ったけど、確かめようもない。ただただ警察官のお財布が潤っただけの話だ。

 

帰りの車内は静まり返っていた。おかげさまで酔っぱらい女もおとなしくなっていた。やっと酔いがさめたらしい。宿に戻って来たときはホッとした。やっとやっと長い1日が終わった…と思った。

 

が、1番最後に車を降りようとした私にビジェイがこう言った。

 

今回の罰金だけど…みんなで一緒にいたし、みんなで払うべきだと思うんだけどゆきはどう思う??

 

って。

 

どうって…

 

めんどくさっヽ( ̄д ̄;)ノ

 

なんで今わたしに言うの!?

 

みんなは先に車を降りてもう宿の中に入っていってしまった。

 

正直ビジェイだけ罪をかぶるっていうのも悪いなと思ったし、私は全員で痛み分けしてもいいと思ったけど、彼らがどう考えているかわからないし、事情の知らない彼らにいきなり罰金払ってよって私からは言えない。

 

私はいいけど、ビジェイがそうしたいならビジェイからみんなに話してよ。

 

私はそう言った。もう疲れた。

 

宿に戻るとレセプションで番をしていたサチンがどうだった??と迎えてくれた。

 

サチーン!聞いてよぉぉぉぉぉー!!!!!

 

私は酔っぱらい女が手に負えなかったこと、みんなで車の中でお酒を飲んで警察に捕まったこと、ビジェイが罰金を払って回避したけどそれをみんなで払うべきって言っていることなど一気に彼に話した。

 

マジかよ…って顔をして聞いているサチン。

 

マジなんだよ!!マジ!!

ねえ!?クレイジーな夜だと思わない!?

 

で、どう思う??ゲストのみんなに罰金みんなで払おうって言うべき??それともビジェイが払うべきなの??どう思う??

 

私が聞くと、

 

Don’t worry.

ゆきは何も話さなくていいよ。ビジェイが話してゲストが決めることだから。

 

サチンはそう言った。彼のDon’t worryの8割はイラッとするけど、2割は妙に説得力があってホッとする。本当にそれでいいのか…?という思いもあったけど、私は疲れきっていてもう考えたくなかった。

 

じゃ、もう寝るね…

 

部屋に戻ろうとしたらビジェイが戻って来た。どうやらイギリス人のゲストにジェケットを貸していたみたいで、返してもらってないとのこと。

 

え…もう部屋に戻った??外にいるんじゃない??あの酔っぱらい女を送りに行ったんじゃない??

 

彼女は別の宿に宿泊している人だ。

 

2階に上がって行ったよ、その女の人と一緒に。

 

サチンが言った。

 

え!?嘘でしょ!?なんで!?だってその女の人ここ泊まってないじゃん!!

 

さあ?どこかのベッドで寝てるんじゃない??

 

え!?どういうこと!?

 

2人で上がっていったから絶対いるよ。

ゆき見てきて。

 

えー!!私!?

嫌だよー!!ヤダヤダー!!

 

最悪だ。なんなんだあの女。この宿に宿泊もしてないくせになんで建物の中に入ってるんだよー。ゲストもゲストだ。ゲスト以外は立ち入り禁止って知ってるくせに!!!!!もう!!

 

なんかの最中とかだったらどーすんの!?

 

あーマジで最悪。なんでこんなことにヽ( ̄д ̄;)ノ

 

わたし、いつ寝れるのーーーーー????

 

私は渋々2階に上がり、そのゲストのドミトリーそしてその他の部屋も全部探したけど彼らの姿はどこにもなかった。

 

どこにもいなかったよ!全部屋見たよ!!ねえ、本当に2階に上がっていったの!?

 

本当に上がっていったよ。じゃあ屋上じゃない??屋上見てきてよ。

 

屋上!?また私!?もう嫌だよー!!サチン行ってよ!!ね!!お願いだから!!

 

ゆき行ってきて。オレもう布団に入ってるし。

 

もー!!最悪!!!!!なに!?今日は厄日!?厄夜!?

 

くそー!!なんで私が!!これで2人がなんかしてる最中とかだったらクレイジーな夜なんていうレベルじゃないよ!!

 

恐る恐る屋上に上がった。

 

 

 

あの、ビジェイがジャケット返してって…それにここゲストオンリーだから出ていってもらってもいいですか…??

 

2人は屋上で普通に話をしていた。

 

私がそう言うとごめんごめん!と言ってすぐに屋上をあとにした。

 

はぁ…よかった…

 

 

マジで長い夜だった。

もういろんなことがあり過ぎて、せっかく招待してもらった結婚式がどーのこーのって言うよりもただただ疲れた。

 

 

次の日、他のスタッフにも昨日の夜どうだった??って聞かれたけど、私はすべてこう答えた。

 

crazy nightヽ( ̄д ̄;)ノ

 
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